サントリー角ハイボールよりも「安くて、もっと美味しくなるウイスキーはないか?」と思い、1,000円台のスコッチウイスキーを20銘柄ほど飲み比べました。
- 「毎日ウチ飲みできるコスパ」
- 「ハイボールにしても味がブレない」
- 「本来ストレートで楽しめる品質を持ちながら、ハイボールでも『らしさ』がある」
を基準に、おすすめの「安くて美味しいスコッチウイスキー」だけをご紹介します。
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「飲みやすいウイスキー」を超えて
ウイスキーは基本的にストレートか、少量加水して楽しむものですが、ハイボールにも全く違う楽しみ(爽快感や食中酒としてなど)があります。
ところが、ハイボール用の安いウイスキーを紹介した記事の中には酷いものがありまして、バランスが悪くて香味が安っぽいウイスキー(=ハイボールにするとマスクされて「質の低さが覆われて飲めるようになった」程度のもの)を推したり、軽いだけの銘柄を「飲みやすい」と褒める記事もあります。
ハイボールが「ウイスキーが苦手な人向けの飲み物」で終わってしまうのはもったいない!
ウイスキーはそれぞれに個性があり、奥が深く、複雑な要素が詰まったお酒なのです。
ハイボールをきっかけにして、ウイスキーの魅力を知る旅を楽しんでいただけると幸いです。
安い1000円台のスコッチ ウイスキーがおすすめ
個人的に好みのウイスキーは、シングルモルトを中心にシェリー系からピート強い系まで幅広く愛でております。ブレンデッドの妙技が光る一部のスタンダード品も好きです。1990年代までは従価ラベルの良いストックが安く買えたんですけどね。
普段飲みのハイボールに使うのは、コスパに優れた「1000円台スコッチ」。
市場価格1,000円台で買えるスコッチウイスキーの中には、よーく探すと驚くほど良くできた高品質なものがあり、コンビニや食品スーパーで見かけるメジャーな銘柄しか知らないのはもったいないです。
これが全てAmazonで手頃な価格&翌日着で買えるとは、便利な時代になったものですね。
これがベスト3
ハイボールが美味しい&安い 1000円台 スコッチ ウイスキー
味の違いは個性なので、細かい順位は付けませんが、特に美味しいと思った3つがこちら。
銘柄を指定して「ハイボールでもう一杯おかわり!」とオーダーしたくなる おすすめのウイスキーです。
※特に表記のない場合は700ml、40度
※★~★★★は、ハイボール用スコッチウイスキーとしてのオススメ度合いであり、品質レベルを反映するものではありません。
※Amazon商品ページへのリンクになっているので、すぐ買えます。
微かなハニー、ストレートで飲むとフルーティーなエキスと練れたスピリッツ感。
ハイボールにすると僅かに緩くなるが、驚くほど旨味がしっかりと踏ん張って、冷えたソーダで加水するという不利な条件に負けない飲み口が楽しめる。
これでスタンダードクラスとは恐れ入る。
香りにしっかりピート、まろやかな口当たり。
上質なカカオのようなほろ苦さが、ハイボールでも薄まらず、バランスが壊れることなく、しっかりと芳醇さが広がる。
このハイボールだけを続けて飲むのは ややハードなくらい、香ばしさと強さがある。ピート控えめのライトなタイプと交互におかわりするのがオススメ。
この価格帯では頭ひとつ抜けたシェリー香と黒糖の芳醇なアロマ。
ストレートで飲むとアルコールのハードさをまろやかな香味が上回り、長い余韻が穏やかに続くという素晴らしいバランス。ハイボールにしても、コクのある香味をしっかり味わえる。
コンビニや食品スーパーにある1,000円前半のカジュアルなウイスキーから数百円足すだけで、ワンランク上の美味しさを味わえることを証明してくれるスコッチウイスキー。
その他の良品
ハイボール向け&安い 1000円台 スコッチ ウイスキー
1,300円前後
黒糖とピートのクッキリとハードなアタック。しかしハイボールにして温度が下がるとエステルのキツさが前に出てもったいない印象にもなる。
1,400円前後
荒さが無くバランスが良い。ロックにすると泡盛の古酒のような香ばしさとデリケートさが楽しめるが、ややプレーン(平坦)な印象。
ハイボールにすると飲みやすくなるが、特徴がなくなる。軽さを美点とするライトなハイボール好きにおすすめ。
1,200円前後
軽め、プレーンでクセが少なく、その分ハイボールにすると「薄くて味が無い」印象になる。
ポイントは「濃い目に作る」こと。するとコスパの高いまろやかハイボールが楽しめて評価が上がる。
意外に思われるかもしれないが、カティーサークは、ストレートの方が「カドの少ないしっとりした良さ」が舌に広がる。
1,200円前後
「ジョニ赤」の特徴的な磯っぽいピート香がムンムンと香る。この価格帯としては香り高い。
ロックにするとピートとフルーティーさが拮抗して美味しく飲めるが、ハイボールにするとガクンと特徴が減ってしまうため、濃い目に作る必要があり、バランスが難しい。
番外:ユニークなカスクブレンドや国産品ウイスキー
ひと味違う魅力的な銘柄もありましたのでご紹介します。
1,700円前後
価格帯がやや違うが、「ジョニーウォーカーのスペシャルエディションが1000円台後半で買える」のは価値あり。
結論としては、これはこれで面白い。
フルーティかつメロウ。ポートワインなど酒精強化果実酒の甘く複雑な香り。レーズンのニュアンスがあるが味は甘くはない。
ハイボールにすると弱くなり、売りのフルーティさが減るので、どちらかと言うとストレート向け。
格別にフルーティーな余韻をアピールして「フルーティー・ハイボール」などどスペシャル感を出すと、ウケる可能性があると思う。
国産ウイスキーの中で好印象なのがこれ。
1,300円前後
1,000円台前半で買える国産ウイスキーの中ではリッチな味わい。コンビニやスーパーなど、どこにでも売ってる「ブラックニッカ クリア」と飲み比べると「数百円でこれほど違うか!」と驚く。
なめらかな甘やかさのある味わいで、強すぎないピートの香りも心地良い。
アルコール分45%でしっかりとした飲みごたえがあり、ハイボールにしても美味しいウイスキー。
ハイボール用炭酸水はこれがオススメ
1本75円前後
ガス圧を強化することでキリッと強めの爽快な刺激とナチュラルなレモン感を両立した「ザ・ハイボール用 炭酸」。
スーパーで売ってる安い割り材(=フレーヴァー付きの炭酸水)には1000mlのものが多いが、500mlという容量が、炭酸が抜けないうちに無駄なく空になるメリットあり。
安いので24本入りケース買いがオススメ。
年間6000本以上のワインをテイスティングした中から「これは!」と唸った本当に美味しい銘柄情報をお届けします。
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