DRC ラ ターシュとミニ寓話「ロマネさん」

La Tache<ラ ターシュ>はよく「しばしばロマネ コンティをも凌ぐ腕白な弟」などと言われますが、それは比較されるロマネ コンティが可哀想というものですよ。

ロマネコンティとラターシュの違い

ロマネ コンティは良い年にはとてつもなく豊かで深遠で球体のような精妙な構造を感じさせますが、難しい年も多い。

比較してラ ターシュは区画も広くオフヴィンテージでも安定しており、力強く、壮麗で、感嘆させられることが常です。

力強さという点において、その違いを見せつけられたのが、私が1991年ものを並べて飲んだ時です。

1991年のブルゴーニュ赤は、畑や生産者で出来にバラツキがあると言われた年です。

ロマネ コンティはいくら時間をかけても、おとなしく、線が細くうちとけない印象。

それとは違いラ ターシュは、ド迫力でゴージャスでクラクラするほどの薫りを放ち、深遠で幾層にも重なる味わいはまさに別格でした。

私はその時、「ピノ ノワールという品種は、ここまで肉感的な姿に成り得るのか!」と心底驚きましたよ。

でもね。

比較するのは意味が無い

丘の上から見たロマネコンティの畑
丘の上から見たロマネコンティの畑(画像の中央/5月)

本来、性格が違うものを比較して「こっちのほうが○○だ」と優劣をつけるのは、得意なことが異なる兄弟でどちらが優れているかを決めるのと同じで、意味が無いことです。

スタイルや個性に好みの違いはあっても、優劣は無い。

同じ村の区画であっても、それぞれに違うテロワールによって現れたワインの個性というものは、それだけで成立しているものですから。

理科の実験でプリズムを通して光の成分が分かれて現れたのを見て、「赤より紫のほうが優れている」と言わないのと同じようにね。

なんだか、「みんな違って、みんな良い」って、道徳の話みたいになってしまいました。

ちょっと寓話を思いついたので綴ってみます。

ミニ寓話「ロマネさん」

むかしむかし、あるところにロマネさんという妖精がくらしていました。

ロマネさんはぶどう酒に魔法をかけて、飲んだ人がうっとりと幸せそうにしているのを見ることが好きでした。

人々はロマネさんの魔法のぶどう酒を欲しがって、国中からやって来るようになりました。

王様の愛人だったポンパドゥールさんがたくさんお金を使う時代がやってきたころ、コンティさんという偉い人がロマネさんのことを大好きになりました。

コンティさんに愛されたロマネさんは、ロマネ コンティさんと呼ばれるようになり、とても有名な妖精になりました。

ロマネさんは、めったに人前に現れなかったのですが、噂を聞いたたくさんの人々が会いたいとやってきて、高いお代を持ってくるようになりました。

会いたい人が増えるにしたがって、お代はどんどんどんどん上がりました。

ふつうの人が払えるねだんを超えて、どんどんどんどん上がりました。

人々はロマネさんのことを「お噂は聞いたことはありますが、私などとても会える身分ではございません」と、うやうやしく語るようになりました。

やがて数々の伝説が生まれ、人々はロマネさんをたたえて「希少性の王座」にまつりあげました。


そのころ、ロマネさんと昔からずっと一緒に暮らしていた姉妹のターシュが注目されるようになりました。

ターシュは口も達者、足も達者、踊りも達者で、目も達者、愛想も達者で、手も達者、何から何まで達者でした。

とても外交的な性格のターシュは、たくさんの人々と会って、魔法のぶどう酒で魅了しました。

人々はやがてロマネさんと比べるようになり「実はターシュが勝っているらしいよ」という噂が広がりました。

ロマネさんはお金持ちのお家の暗く湿った部屋で過ごしながら淋しい思いをしていました。

「わたしは遠い存在になってしまったわ。わたしのことを知ってもらえるチャンスがほとんど無いんだもの。

かといって、わたしは他の妖精ほどたくさん魔法をかけられないし、天気が良くないとすぐメソメソしてしまう。」


しばらくして街には、ロマネさんの姿をした偽者(にせもの)のロマネさんが溢れていました。

ロマネさんは 「おそろしいこと!もうわたしに会っても誰も本物のわたしだとわかってくれない」と嘆き、目から大粒のぶどうの涙を流しました。

 

おわり

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written at 2017 Sep 5th / Copyright © HATO BAR All Rights Reserved.

いかがでしたか。

よく知られているのに、本当に知っている人は少なく、伝説のように語られ評価される存在。その不遇が伝わればいいな、と思って書きました。

個性の差だけでなく出場機会の差もロマネ コンティを不利にしているのです。

価格をみればすればおのずと「DRC買うなら現実的なのはラ ターシュまで」になりますからね。

ラ ターシュも近年随分高くなりましたが、最高のブルゴーニュを語るには、どうしても外せない銘酒です。

オフヴィンテージに強いというところも買い安心感があります。

平均以上の年で状態の良いものでしたら、まず間違いなく感激されることでしょう。

ターシュ、タッシュ、タッシャ、達者、、、orz

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